2021年6月7日、第二地方銀行である中京銀行が45歳以上の総合職及び全ての年齢の一般職を対象に希望退職募集を開始しました。
地銀で希望退職の募集をかけるのは異例とのこと。
しかし、こういった流れは今後ますます増えていくことが考えられます。
終身雇用は崩壊し、時代の流れに反した店舗での銀行業務は不要になっていくからです。
この記事では、全ての銀行員のために今回の中京銀行の希望退職募集は実質リストラであり、合併する前に転職するべき3つの理由について紹介していきます。
僕は2012年に某地方銀行に入行し、4年間働いたのちに銀行の将来性の不安から異業種に転職。退職後翌月に大手グループ会社と吸収合併することになりました。
中京銀行が希望退職の募集を開始
三菱UFJ銀行が筆頭株主の第二地方銀行、中京銀行(名古屋市)は7日、希望退職を募集すると発表した。低金利競争などで経営環境が悪化しており、体制のスリム化を図る。地銀や第二地銀が希望退職を募集するのはまれで、金融庁は「近年、その事例には接していない」としている。
読売新聞
2021年6月7日に中京銀行が地方銀行では異例となる希望退職の募集を開始しました。
低金利やコロナ禍による影響
今回の希望退職募集に至った原因は、何といっても不景気による赤字です。
低金利により貸付利息の減収やコロナ禍によってますます収益が落ち込み今期(2022年3月期)は25億円の赤字を見込んでいます。
店舗も現在の90店舗から23年度末までに3割減らすということを計画中。
人件費を大幅に削減しようとしているということです。
地方銀行の希望退職募集は実質リストラ
地方銀行が希望退職を募集するというのは実質リストラを迫られているということです。
ひと昔前までは銀行はエリートしか入行できないとされ、一生安泰といわれていました。
しかし現代では時代は代わり銀行もAIの導入などによりどんどん無くなっていっています。
このように過去と現在の世界の企業の時価総額ランキングを見れば一目瞭然です。
銀行がこれまで希望退職募集をすることなんてありえなかったですから。
そんな事態になっているということはいよいよ業界も縮小していくということ。
地方銀行員が転職するべき3つの理由
地方銀行員、第二地方銀行員はいよいよ本格的に転職を視野に入れておくべきです。
その理由は3つ
- メガバンクや大手グループに吸収合併される
- 支店減少により人員が不要になる=削減
- 将来性がない
一つずつみていきます。
メガバンクや大手グループに吸収合併される
昔、池田銀行と泉州銀行が合併し池田泉州銀行が誕生しました。
良い響きに聞こえそうですが、現実は規模の大きかった池田銀行組が支配をし泉州銀行組はとても肩身が狭くなったらしいです。
僕の話でいうと冒頭でもお話したように、私が新卒で入行した地方銀行も入社4年後に退職しましたが、その直後に大手グループに吸収合併されました。
その影響で、家族を持ち、家のローンを払い終えたばかりの融資部の部長が地方に飛ばされるなんて悲惨なことも耳にしました。
支店減少により人員が不要になる=削減
不景気や銀行業務の縮小により支店を減らしていく傾向が今後ますます広がります。
支店が減ると当然人員が不要になり、今回の希望退職のような募集がかけられたりします。
「希望退職」とはうたっていますが、現実は特定の人を退職に持っていくように仕向けられたりだとかパワハラ的なことが裏では行われるかと思います。
将来性がない
銀行は将来性が本当にないです。
上記の理由もそうですが、今後はどの銀行も業績が悪化していきます。
なぜなら、不良債権が増えていくからです。コロナ禍の影響で倒産した企業が後を絶ちません。
融資先が倒産していくと資金も回収できないので銀行としては当然利益は上がりません。
低金利時代とコロナ禍のダブルパンチは金融業界には大打撃なのです。
影で進むスーパーシティー構想
余談ですが、コロナ禍で飲食店が次々と閉店しておりそのテナントを外資企業が買い占めるということが動き出します。飲食店が潰れるとそこに納品していた農家も潰れます。
その農家の土地も買い占め、そこにマンションが建ちます。不動産会社が一般人に家を売りまくり銀行はローンを組ませます。
その後、固定資産税が急騰するとどうなるでしょう?
ローン返済が滞り、銀行はそこでも回収ができなくなります。
銀行員が転職するには?
銀行員は基本的に転職の経験がない人が多いでしょうから、転職方法がわからない人もいるでしょう。
転職の流れとしては、
転職サイト、エージェントに登録する
求人に応募する
面接の日取りや給与面の交渉をエージェントにしてもらう
面接を実施
内定〜出社
かなりざっくりとですが、大まかな流れはこんな感じです。
詳しくはこちらで銀行員の転職について書いていますのでどうぞ。
>>銀行員の転職が難しいなんてことはない【元銀行員の体験談あり】
銀行から異業種に転職は可能?
結論、銀行から異業種へ転職することは可能です。むしろ異業種へ転職するべきです。
もちろん若ければ若いほど有利ではありますが、30代でも全然異業種へ転職することは可能です。
銀行での経験やスキルが活かせる主な異業種転職先としては、
不動産業界
コンサル業界
Web業界
です。
その中でもおすすめはWeb業界です。
以外かもしれませんが、Web業界は銀行員の人が転職するにも向いている業種といえます。
なぜなら、Web業界はマーケティングやライティングスキルなどが必要になるからです。
銀行では融資先の業績に分析などで、マーケティングやリスク管理能力などが身につきます。
資格勉強や日々の稟議書作成などで論理的に相手に説明する能力も養われているので、Web業界に必要なスキルの基礎が備わっているんです。
業界も伸びていますし、まだまだ人手不足ですので十分狙える領域なのでおすすめです。
まとめ:銀行人員削減前に手を打っておこう
中京銀行の希望退職募集の事例を参考に銀行のリアルと今後について、転職のすすめについて紹介してきました。
違う銀行だからといって指をくわえていてはいけません。
明日は我が身の恐れもあるので、銀行員の人は先手で転職活動をとりあえずでも初めておくことを強くおすすめします。
- 転職サイトに登録してみる
- 求人をみてみる
- エージェントに相談してみる
などなど、どれも無料で気軽にできるのでできることからやってみよう。
自分の適正年収を5分で測定できるミイダスなんか試してみるのもいいでしょう。